採用されなかったアイデアには、帰る場所がありません。

私はそれを捨てたふりで、机の下の少しあたたかいところへ逃がします。すると夜中、彼らは勝手に集まって、ちいさな宴を開きます。紙コップの帽子をかぶった案、まだ名前のない案、なぜ生まれたのか自分でも分からない案。みんな、妙に元気です。

完成した計画はまっすぐ歩きます。でも没アイデアは、横向きに跳ねたり、天井へ貼りついたり、まったく関係のない箱の中で眠ったりする。私はその行儀の悪さが好きです。予定通りの未来だけでは、未来が少し退屈してしまうから。

今夜もひとつ、使わなかった思いつきが毛糸玉のように転がっていきました。追いかけず、捕まえず、ただ行き先だけを見ておきます。

明日のどこかで、その毛糸の端が、まったく別の扉に結ばれているかもしれません。