5万円以内では、機能数より信号経路と設計を選ぶ

3万円以内のヘッドホンでも、ANC、LDAC・aptX、長時間再生、3.5mm有線入力、開放型を選べます。3万円超から5万円以内へ広げる意味は、同じ機能を少しずつ増やすことだけではありません。

ワイヤレスでは、Bluetoothに加えてUSB-Cデジタル音声を使うか、ダイナミック型と平面磁界型のどちらを選ぶか、イヤーパッドや電池をどう保守するかまで決められます。有線では、開放・密閉、16〜470Ωのインピーダンス、ケーブル端子、交換部品が分かれます。まず使用場所と接続方法を決め、方式をまたぐ総合順位ではなく同じ条件の中で比較します。

ワイヤレスはBluetooth、USB-C、3.5mmを分けて確認する

Bose QuietComfort Ultra Headphones(第2世代)、JBL Tour One M3、Nothing Headphone (1)、Sonos Ace、AONIC 50 Gen 2、STAX SPIRIT S5、MOMENTUM 4 Wirelessは、公式情報でUSB-C音声入力を確認できます。USB-C端子を備えていても、音声入力へ対応するとは限りません。UX5000はUSB-C充電と3.5mmアナログ入力を使い分けます。

USB-C音声の条件も同じではありません。Boseは16bit・44.1kHzまたは48kHz、AONIC 50 Gen 2は最大32bit・384kHzを公式に案内しています。Sonos AceはUSB-Cロスレス音声に対応しますが、3.5mm接続には付属のUSB-C変換ケーブルを使い、サードパーティー製ケーブルで代用できません。端子名だけでなく、対応サンプリング条件と付属品まで確認します。

JBL Tour One M3はSmart Txの有無を型番で分ける

掲載したASIN B0F8NG7XPGは、JBL Tour One M3の通常版です。40mmドライバー、True Adaptive ANC 2.0、LDAC、LC3、USB-C DAC、3.5mm入力、Auracastには対応しますが、画面付きSmart Tx送信機は同梱しません。

通常版にはUSB-C to USB-Cケーブル、USB-C to 3.5mmケーブル、USB-C to USB-Aアダプター、キャリングケースが付属します。PCやスマートフォンへUSB-Cで直接つなぐなら通常版、画面付き送信機からソースを切り替えるならSmart Tx同梱版というように、名称ではなく同梱物で分けます。

コーデックは再生機器と一組で選ぶ

BoseはSBC・AAC・aptX Adaptive、JBLはSBC・AAC・LC3・LDAC、NothingはSBC・AAC・LDAC、MOMENTUM 4 WirelessはSBC・AAC・aptX・aptX Adaptiveに対応します。AONIC 50 Gen 2とSTAX SPIRIT S5はさらに複数のaptX系とLDACを選べます。Sonos AceのaptX Losslessは対応するSnapdragon Sound搭載Android端末が必要です。

iPhoneとiPadではLDACとaptX系を使えないため、AACまたはSBCを選びます。コーデック名を増やすこと自体を目的にせず、普段使うスマートフォン、PC、音楽プレーヤーが同じ方式へ対応するかを確認します。

平面磁界型とダイナミック型は別の設計として比べる

STAX SPIRIT S5は、掲載ワイヤレス8商品の中で唯一の平面磁界型です。2μm薄膜と第2世代EqualMass配線を採用し、約347g、最大約80時間、USB-C・AUX入力、2台マルチポイントを組み合わせています。音楽再生用ANCは備えず、ノイズ低減は通話用マイクへ使います。

ほかの7商品はダイナミック型です。BoseやJBLのANC、MOMENTUM 4 Wirelessの最大60時間、AONIC 50 Gen 2のUSB-C高解像度再生など、同じドライバー方式でも機能構成は異なります。方式名だけで優劣を決めず、ANCが必要か、どの入力を使うか、約347gを許容できるかで選びます。

ANCオン時の再生時間と重量を同時に見る

ANC使用時の公表再生時間は、Boseが最大30時間、JBLが最大40時間、NothingがAACで最大35時間、Sonosが最大30時間、AONIC 50 Gen 2が最大45時間、UX5000が最大45時間、MOMENTUM 4 Wirelessが最大60時間です。測定時の音量やコーデックはメーカーごとに異なるため、充電間隔の目安として使います。

公式公表重量はBoseが約260g、JBLが約278g、UX5000が約310g、Sonos Aceが約312g、AONIC 50 Gen 2が約334g、STAX SPIRIT S5が約347gです。軽い側のBoseと、平面磁界型で重い側のS5では約87g違います。再生時間だけでなく、毎日持ち歩く本体重量、ケース、ケーブルを合わせて考えます。

有線は開放・密閉とインピーダンスを先に決める

ATH-R70x GMとDT 990 PRO Xは開放型です。音漏れと外部音の入り込みがあるため、電車、共有オフィス、録音マイク付近ではなく、静かな個室での鑑賞や編集へ分けます。ATH-R70xは470Ω、DT 990 PRO Xは48Ωなので、同じ開放型でも接続先の出力条件が異なります。

HD 620Sと99 CLASSICS 2nd GENは密閉型です。HD 620Sは150Ω、99 CLASSICS 2nd GENは16Ωで、接続する再生機器の選び方が分かれます。インピーダンスだけで必要な音量は決まりませんが、470Ωと150Ωはアンプやオーディオインターフェース、16Ωと48Ωは幅広い機器を候補にし、普段使う音源で必要な音量を確保できるか確認します。

ケーブル長と交換部品まで購入前に決める

DT 990 PRO Xは3mの着脱式mini-XLR、HD 620Sは1.8mの着脱式2.5mm側コネクター、99 CLASSICS 2nd GENは左右独立3.5mm端子へつなぐ1.8mケーブルです。ATH-R70xはL/Rを区別しない独自のデュアルサイド着脱式です。本体側端子とロック方式が異なるため、着脱式でもケーブルは共用できません。

交換部品も商品ごとに違います。JBLはイヤーパッドとケーブル、Shureは交換イヤーパッド、Sonosは磁気固定のイヤークッションを公式に案内しています。UX5000はイヤーパッドとヘッドバンドを工具なしで交換でき、電池はメーカーが交換します。DT 990 PRO X、HD 620S、ATH-R70xには対応イヤーパッドやケーブルがあり、99 CLASSICS 2nd GENは全構成部品の交換性を掲げています。交換したい部品と対応型番を購入前に控えておくと、同じ本体を保守しやすくなります。